early in the rainy day

ほんの備忘録として。自分のために書いてみます。

過去のない男

過去のない男

カウリスマキ二作目。2002年カンヌグランプリ作品。やっぱり、主人公がどこかで救われてしまう、そんなストーリーで映画を撮るカウリスマキの優しさが好きだ。

フィックスショットで軽く一分持たせてしまうところ。無表情なのに、何も語らないのに、あまりに豊かなコミュニケーションが成り立っているところ。犬の名前がハンニバルでゴリ押しするところ。始めの方に何気なく放った言葉が、最後の最後で回収されてしまうところ。タバコの火を付けるだけで、2人が心を通わせるところ。別れた2人が、綺麗に逆方向に歩き始めるところ。そして何より、エンディングで幸せな気分にさせてくれるところ。そのどれもが素晴らしい。

それにしても、映画でタバコを吸っているシーンになると、タバコを吸いたくなるのは不思議だ。